ビルのリノベーションや建て替えを検討するにあたって、気になるのはやはり費用です。ビル建て替え費用は新築の建築費だけでなく、既存建物の解体やテナントの立ち退きなどにも費用がかかります。一方、リノベーションやリニューアルは既存の建物を活かせるため、工事範囲を調整しながら計画できます。
ここでは、オフィスビルのリニューアル相場とビルの建て替えにかかる費用を紹介し、それぞれを比較する際のポイントを解説します。
オフィスビルのリニューアル費用は、どこまで工事するかによって大きく変わります。壁や床などを部分的に改修する場合と、内装や設備を一新するフルリノベーションでは必要な費用が異なるためです。
オフィスのリノベーション費用について、JAPAN BUILDでは部分的なリノベーションを坪単価10万円前後、フルリノベーションを坪単価30万円前後の目安としています。
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| 工事内容 | 坪単価の目安 | 主な工事 |
|---|---|---|
| 部分的なリニューアル | 約10万円/坪前後 | 壁・床・照明などの部分改修 |
| フルリノベーション | 約30万円/坪前後 | 内装やレイアウトを含む全面的な改修 |
例えば40坪程度のオフィスをフルリノベーションする場合、目安は1,200万円前後です。ただし、使用する建材や設備、既存部分をどこまで活かすかによって費用は変動します。
※価格参照元:JAPAN BUILD(https://www.japan-build.jp/hub/ja-jp/column/kz/18.html)
同じ広さのオフィスでも、工事前の状態によってリニューアル費用は異なります。リショップナビでは、スケルトン物件のリノベーションは坪単価20〜40万円、居抜き物件は坪単価15〜35万円を目安として紹介しています。
既存の内装や設備を利用できれば工事範囲を減らせる可能性があります。一方、築年数が経過して下地や空調、電気設備などの更新が必要な場合は、見た目の改修だけでは済まず費用が増えることもあります。
※価格参照元:リショップナビ(https://rehome-navi.com/articles/2217)
ビルを建て替える場合は、既存建物を残すリノベーションとは異なり、建物を解体したうえで新築する必要があります。そのため、新築建築費だけでなく解体費や立ち退きなども含めて予算を考える必要があります。
国土交通省の「建築着工統計調査」をもとに算出された2025年の事務所建築費を見ると、全国の全構造平均は約168.1万円/坪です。
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| 構造 | 事務所の建築費水準 |
|---|---|
| 鉄骨造 | 約174.8万円/坪 |
| 鉄筋コンクリート造 | 約192.9万円/坪 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造 | 約190.5万円/坪 |
| 全構造平均 | 約168.1万円/坪 |
全構造平均の168.1万円/坪を単純に100坪へ当てはめると、新築建築費だけで約1億6,810万円となります。ただし、これは市場全体の建築費水準を把握するための目安です。地域や建物の規模、仕様、設備などによって実際の費用は変わります。
※価格参照元:国土交通省「建築着工統計調査」をもとに算出された2025年の事務所建築費水準。個別の建築費を示すものではありません。政府統計の総合窓口 e-Stat
ビルの建て替え費用を考える際に注意したいのが、建築費だけでは総額を把握できないことです。建て替えでは、物件の状況に応じて次のような費用が発生します。
特にテナントが入居しているビルでは、退去までの調整や移転に伴う費用も考える必要があります。「坪単価×延床面積」だけで建て替え予算を決めないようにしましょう。
建て替えとリノベーションは工事内容そのものが異なるため、単純に「何%安い」と比較することはできません。ただし、予算規模をつかむための目安として、100坪で試算すると次のような違いがあります。
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| 工事の種類 | 100坪の場合の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 部分的なオフィスリニューアル | 約1,000万円前後 | 坪10万円として試算。部分改修が中心 |
| オフィスのフルリノベーション | 約3,000万円前後 | 坪30万円として試算。内装中心の目安 |
| オフィスビルの新築建築費 | 約1億6,810万円 | 全国全構造平均168.1万円/坪として試算。解体費などは別途 |
この比較からも、既存建物を活かすリニューアルと、一度解体して新築する建て替えでは費用の考え方が大きく異なることが分かります。
ただし、ビル全体の耐震補強や外壁、空調・給排水設備まで大規模に改修する場合は、内装中心のオフィスリニューアル相場より費用が高くなることがあります。建物の状態を調査したうえで、建て替えとリノベーションそれぞれの見積もりを比較しましょう。
建て替えの方が費用は大きくなりやすい一方、既存建物の状態によっては大規模な補修が必要となり、リノベーション費用が膨らむこともあります。
また、建物の耐震性や設備の劣化、今後どのようにビルを利用するのかによっても適した方法は異なります。建物を今後も活かせる状態なのかを確認し、建て替えとリノベーションの両方を比較することが大切です。
ビルのリノベーションやオフィスリニューアルも、工事範囲が広くなるほど費用は高くなります。予算を抑えるためには、必要な工事と優先度の低い工事を分けて考えることがポイントです。
すべてを一度に新しくするのではなく、老朽化した設備や利用者の目に触れるエントランスなど、優先して改善したい場所を整理します。既存部分を活かせる場合は、そのまま使用することで工事範囲を抑えられる可能性があります。
見積もりを比較する際は、依頼する工事範囲や使用する設備・素材などの条件をそろえておきましょう。金額だけでなく、見積もりに含まれている工事と含まれていない工事を確認することも大切です。
省エネ化や耐震改修など、工事内容によっては国や地方自治体の補助制度を利用できる場合があります。対象工事や補助率、募集期間は制度ごとに異なるため、計画段階で最新情報を確認しておきましょう。
ビルリノベーションで利用できる補助金については、以下のページでも紹介しています。
建物の構造や地域、規模などによって異なります。2025年の事務所建築費の全国平均は全構造で約168.1万円/坪という水準です。ただし、建て替えでは新築建築費に加えて解体費や立ち退きなどの費用も必要になります。
全国全構造平均の168.1万円/坪を100坪に単純換算すると、新築建築費は約1億6,810万円です。これは建築費のみの目安であり、解体費、設計・監理費、申請費用、テナント対応などは含まれていません。
工事範囲によって異なりますが、部分的なオフィスリニューアルは坪10万円前後、フルリノベーションは坪30万円前後がひとつの目安です。スケルトンから施工する場合は坪20〜40万円程度という相場もあります。
既存の躯体や設備を活用できる場合は、リノベーションの方が費用を抑えやすい傾向があります。ただし、耐震補強や設備更新など大規模な工事が必要になると費用が増えるため、建物の状態を調査してから両方の見積もりを比較することが重要です。
法定耐用年数を過ぎたことだけを理由に、必ず建て替えなければならないわけではありません。法定耐用年数は税務上の減価償却期間であり、建物の物理的な寿命とは異なります。耐震性や劣化状況、設備、今後の運用などを確認して判断しましょう。
新築の建築費として示される坪単価には、既存ビルの解体費が含まれていないケースがあります。建て替えを検討するときは、建築費・解体費・設計費・テナント対応費などを分けて確認すると総予算を把握しやすくなります。