老朽化したビルを所有しているオーナー様のために、ここでは、ビルのリノベーションについて、方法や費用、流れなどをご紹介します。使用できる補助金についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
築浅の建物が人気の日本では、築30年~40年たったビルは「古い」「安全性が心配」と見なされ、「建て替えるしかない」と考えられてきました。しかし、古くなったビルは1棟丸ごとリノベーションで再生することが可能です。
1棟丸ごとリノベーションとは、築年数の経過したビルの構造部分だけを残し、外装や内装、設備を一新する再生方法です。見た目だけをきれいにするのではなく、建物の構造部の劣化を補修したり、必要な場合は耐震補強工事などを行ったりして、安全性も確保します。建物の土台部分を強化した上で、内外装をデザインし直すため、長期にわたって活用することができるのです。
設備や間取り、デザインなどのニーズは、時代ごとに変わります。築年数が経ったビルは、ニーズに合わないため、入居率が下がっていくことが多いようです。リノベーションをすることで、ニーズに対応した魅力度の高い物件に生まれ変わることが可能です。併せて、時代に合った家賃設定にリセットすることもできるでしょう。
工事の内容によって異なりますが、建物を解体する手間がかからない上、建て替えよりも工事期間を短縮できるため、費用を抑えることが可能です。
建物を解体する場合は、廃材の処分費用も必要ですが、リノベーションなら廃材を大幅に減らせる分、費用を抑えることができるでしょう。
ビルリノベーションを行い、給排水管や設備などを一新することで、ビル自体の寿命を大きく伸ばすことが可能です。寿命の目安は、コンクリートの耐用年数。鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅の法定耐用年数は47年、事務所なら50年※とされていますが、正しくメンテナンスされていれば100年以上使えるという研究結果も発表されています。
(※1)参照元:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf)
(※2)「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書 取りまとめ後の取組紹介」(https://www.mlit.go.jp/common/001014514.pdf)
まずは、大まかなデザイン、レイアウトプランを考えます。注意したいのは、「おしゃれさ」だけを重視しないこと。「おしゃれな空間になったけど使いづらい」なんてことにならないよう、なぜリノベーションするのか、これまでどんな点に課題に感じていたか、目的や問題点を明らかにしておくことが大切です。
次に、リノベーションを依頼する工事業者を選定します。業者選びを間違うと、想定以上に費用がかかったり、適切なアフターフォローを受けられなかったりする可能性があります。
業者によって施工内容や条件、料金、記載の仕方などが異なるため、複数の業者から見積もりをとるのがおすすめです。
最初に明らかにした課題やリノベーションの目的などを伝えた上で、設計をしてもらいます。要望とデザイン、コストのバランスを取るのもこの段階。具体的なイメージがあれば、写真やイラストなどを提出するのがおすすめです。視覚的にイメージを共有することで、お互いの認識の違いをなくすことができます。
設計デザインやレイアウトに沿って、いよいよ工事スタートです。工事期間はリノベーション内容やビルの大きさなどによって異なりますが、中規模オフィスビルのフルリノベーションで約2〜3ヶ月程度です。
状況によってはスケジュールが変更になる場合もあるので、工事業者とこまめに連絡を取り合って進捗状況を確認しましょう。
ビルのリノベーション費用は、建物の状態や工事内容、重機が通れる前面道路状況などによって異なります。
ここでは、ビルのリノベーションにかかる費用と建て替えにかかる費用を比較し、どちらの方が安いのか、そして費用を抑えるために何ができるかを紹介します。
ビルリノベーションには、補助金を活用するのがおすすめ。
ビルのリノベーションで使用できる補助金は複数ありますが、使用の条件や対象となる費用が異なります。事前に確認して、損しないリノベーションを行いましょう。
ビルリノベーションをする際は、耐震補強工事も同時に行うのがおすすめです。耐震補強には工法がいくつかあるため、耐震性能を高めながらも専有部への影響ができるだけ少ない方法を検討しましょう。
ビルの外装リノベーションの際には、外壁塗装だけでなく、屋上防水や看板の設置工事なども同時に行うのがコストを抑えられるのでおすすめです。外壁の素材に合った性能の塗料を選び、リノベーションを行いましょう。
築50年を超えるビルをリノベーションする際には、事前に構造やコンクリートの劣化具合を施工業者に確認しておくことが重要です。 新築では得られないビンテージビル特有の趣を活かして、リノベーションを検討しましょう。
2025年4月に施行される建築基準法の改正により、ビルリノベーションにおける確認申請の必要範囲が拡大されます。特に用途変更や構造部の大規模改修を行う場合には、申請義務や省エネ基準への適合が求められるため、事前の法規確認と対策が重要です。
築年数が進んだビルを建て替えるか改修で活かすか迷うオーナーに向けて、相場とNOIの見方、耐震・設備・共用部の整え方、省エネやBCP・デジタル活用まで、ビルのバリューアップにつながるポイントをわかりやすく整理しています。
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